こんにちは。太田です
今回は、同じ敷地でも地域によって違う土地の上に建物を建てれる位置や隣地との間隔についての話です。
下の図は、西宮・芦屋・神戸の同じ用途地域で建物が建てられる場所を白抜きにした図です。
用途地域は、一番下の用途地域図MAPでは西宮と芦屋の国道2号線、山手幹線南北の町境周辺MAPですが黄緑色のエリアで、第1種中高層住居専用地域または第2種中高層住居専用地域という場所です。一番住宅需要が多い場所で、住宅系のエリアの中では土地代の単価が一番高いエリアではないでしょうか?
芦屋・西宮・東灘あたりの駅から徒歩圏の平坦な住宅地はこの用途地域が多いかと思います。基本的に低層住居専用地域(一番下の用途地域図MAPの濃い緑色のエリアでゆったりとした間隔で家が並び、一戸あたりの敷地面積が広いいわゆる高級住宅地)の次に建築規制が厳しいエリアですが、マンションなどもあるエリアです。MAPのピンクは近隣商業地域、黄色は第一種住居地域といって、駅周辺や幹線道路沿いなど建築規制が緩めの場所で、住宅地としてはやや妥協が必要なの場所かと思います。
●道路が一方向に面している間口10m・奥行10mの100㎡の土地で仮に比べてみました。(実際には間口が狭く奥行きが長い長方形の土地が一般的ですが・・・)
斜線部分が隣地や道路との外壁後退距離で建物が建てられない場所です。建物の外壁をこの白いエリア内で建てないといけません。もちろん建ぺい率というのが元々ありますので、その範囲内(通常はこのエリアだと60%のところが多いです。100㎡の60%だと60㎡になりますが・・)
●芦屋の外壁後退距離は建物計画に影響大
同じ用途地域で比較すると芦屋が一番厳しい規制と言えますが、西宮は道路側にも外壁後退距離の規制がかかります。駐車場などは斜線部分でも問題がありませんので、道路側近くに駐車場を持ってくるのが一般的ですので一方道路の敷地の場合西宮の道路側の外壁後退はさほど建物計画に支障がないのかと思います。
実際には間口の方が狭い長方形の土地が多いので、芦屋の隣地との外壁後退距離0.7mは建物計画にかなり影響がでます。 ただし住環境という観点では隣地との距離が空けば空くほどゆったり感はあり、住み心地はよいのではないでしょうか?
例)奥行10mの建物の場合、西宮・神戸に比べ芦屋では両側外壁後退で40cm建てれる床面積が変わるので、2階建てだとすると0.4m×10m×2=8㎡(約4.8帖分)床面積が少なくなります。
●2階建てで駐車場1台をとるための必要な敷地面積は?
よくお客様が希望される2階建て・駐車場1台付を実現するためには、建物床面積にもよりますが、一般的な3LDKまたは4LDKの建物床面積90㎡~100㎡とすると、土地の形にもよりますが西宮・神戸の場合敷地面積90㎡~・芦屋だと100㎡~程度最低ないと難しいかもしれません。それ未満の敷地の場合、3階建てでないと満足な建物床面積がとりずらいです。
■角地の場合
角地の場合(道路幅員それぞれ4m以上)、通常この用途地域では建ぺい率が10%アップできますので通常70%の建ぺい率になります。西宮の場合、道路側にも外壁後退が必要なので、西宮の角地は少し不利かもしれません。反対に芦屋の角地は数字を見てもわかるように有利で狙い目だと言えます。どのエリアも一方道路を比べると2階建て駐車場1台の標準的な家を建てる場合の敷地面積は5㎡程度少なくとも実現可能です。
ちなみに芦屋・神戸のように道路側に外壁後退の規制がかからない場合でも、屋根の軒や樋などが道路側にはみ出すことはできません。
●神戸の留意点
外壁後退距離は西宮・芦屋はそれぞれ平成12年に制定された 【まちづくり条例】という市の条例で用途地域別に外壁後退距離が定められていますが、神戸の場合条例での規制ではなく、民法で定められている外壁後退距離(0.5m)を準用して建てるのが一般的ですが、建築事業者が複数区画建築するようなケース(いわゆる建売)では、隣地も同じ所有者(建築事業者)なので民法の外壁後退距離は不要になり、同じ建売業者が販売する隣地との距離も0.5m空いてなくてもよいことになります。住環境という観点からは・・・・・少し狭苦しく感じるかもしれません。
■用途地域図
上の図の濃い緑色のエリアは低層住居専用エリアで、住環境はとても良い場所ですが、建ぺい率が40%~50%で外壁後退距離も1.0mなどさらに規制が厳しく、土地の最低敷地面積などの制限などもあり、相当敷地が広くないと建物計画が難しく、土地代だけでも相当な高額になってしまうエリアです。
■地区計画エリアについて
上記の規制以外に地区計画がかかっているエリアでは、同じ用途地域でも規制がさらに厳しくなるエリアもありますので、ご注意下さい。
それではまた